台湾のエネルギー事情について工商時報は、天然ガスの約8割が発電用途に使われているとし、電力供給の81.3%を占める火力発電のうちガス火力が53.3%に達していると指摘。その上で、台湾が輸入する液化天然ガス(LNG)の約33.7%を供給するカタールが、天然ガス輸出の停止を発表したことから、台湾の電力供給の安定性に与える影響が懸念され始めているとした。
一方、TSMCの電力消費について同紙は、TSMCは2024年のサステナビリティ報告書で、同年の電力総消費量が約274億5600万キロワット時と、台湾全体の電力消費の約9%を占めたことを明らかにしたと指摘。内訳は外部電力が93%、天然ガスが6.9%だったと紹介した。
同紙の伝えた台湾の半導体業界筋は、AI及び高性能コンピューティング(HPC)需要の急拡大が半導体産業の電力消費増加を牽引する主因だと指摘。AIの学習や推論処理の需要増に伴い、先進プロセス・先進封止(パッケージ)の生産能力が拡大、かつ半導体工場は24時間体制で稼働するため、電力需要は構造的な増加傾向を示しているとした。
一方、同紙の伝えた台湾の市場関係者は、エネルギー価格の上昇が電力料金の引き上げにつながれば、半導体製造コストに一定の圧力がかかる可能性があると指摘。ファウンドリ産業は高い参入障壁と価格交渉力を持つため、コストの一部を顧客に転嫁できるものの、AIチップ需要がピークを迎える中でエネルギー供給が不安定になれば、生産ラインの稼働効率や生産計画に影響が出る恐れもあるとの見方を示した。
工商時報は、中東情勢が長期化した場合、エネルギー価格や電力コストがAI及び半導体サプライチェーンに影響を及ぼす重要な変数になるとの懸念が台湾の半導体業界に出ていると指摘。TSMCにとっても、AI向け生産能力の拡大と並行して、安定したエネルギー供給の確保が今後の重要課題になるとの認識を示した。
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